ハワイから始まった日食病は3年前のオーストラリアからまた悪化し、インフルエンザA型も一緒に発症して最悪の体調の3月突入でしたが、渡航前日から春の陽気に助けられ気持ち良く出発できました。ツアーは34人で、福島の大野さんがプロデュースしているため観測地も事前の調査から信頼できると判断しました。参加された方は比較的年配の方が多く、本格的な赤道儀持参の方は4~5人でした。パレンパンのホテルは中心線から少し離れていましたので、北に10キロ離れた建設途中の敷地を確保しています。治安のために警察官が2名参加しています。日の出とほぼ同時に第1接触が始まりますので、高度が低いのが気がかりですが、熱帯雨林の中では早朝が比較的安定しているのも情報としてありましたので期待をしました。前日は朝から快晴で観測地の事前準備では足場もしっかりときまり、実際の太陽のトラッキングもでき、あとは天候をいのるだけ。
ホテルから見た、前日の金星と皆既を待つ新月前の月
実際に太陽を使ってのトラッキングの確認。緯度が南緯2度と極軸がほぼ水平で南を向いている
日食当日
朝は4時にホテルを出発
日食と言うことで、街は休みで通行に支障なく20分程で観測地到着
天頂にはさそり座や射手座が見えるが東は黒い雲が覆っていて、星は見えない。
6時、日の出の時間だか、まだ雲が覆っていて暁の感じもない。時々金星の輝きが分かり、雲が低いのがわかる。
第1接触の時間が来てもご覧のような雲で気持ちは半ば消沈状態
いよいよ食分70パーセントあたりから青空が見え始め元気がでてくる。比較的雲の流れが速いのが嬉しい。しかしかつてハワイで経験した2秒前の悲劇があるので、油断はできない。
さあ!第2接触5分前
かなり食分が進み95パーセント
太陽は雲から外れるが、下には雲が流れている。あと1分。胸の鼓動が高まる。
第2接触
左にプロミネンスがピンクに光る。
皆既の始まりだ
北東にストリーマーが伸び、これが比較的穏やかな極大期を過ぎた太陽コロナのようだ。
今回は望遠鏡にオリンパスOM-DとタカハシFC50.赤道儀にカシオデジカメ2台で動画撮影。
ほとんど自動なので肉眼で長い時間見ることができた。しかしあっという間の2分10秒
第3接触開始 ダイヤモンドリングだ。
動画では、下に雲が流れていくのが良くわかる。100メール東ならば雲の中で最悪の結果が待ち受けていたのではと思うとホッとする。
日食は何が起こるかわかりません。それは天候だけではなく、動物や人間の行動にも及びます。
今回も胃が痛くなる日食でしたが、これが日食病を悪化させる要因なんです。
次回は来年8月21日アメリカです。